耕うん作業の重要性

人が生きるための食糧の大部分は農業を行うことで得ています。

農作物の生育や品質は、土の良し悪しが大きく影響します。土の良し悪しは、物理性(土そのものの質、土の硬さや深さ・通気性・排水性・保水性など)、化学性(有機物や肥料成分の含量・pHなど)、生物性(土の中の生物の量や状態)によって決まり、農業の生産性と持続性を高めていくためには、これらを適切に維持・管理することが重要です。

耕うんの目的は、固まった土を砕きながら攪拌し、空気を多く含んだふっくらとした状態にすることにあります。ふっくらとした土は空気を多く含んでいるため、生物の活動も活発で、保温性や排水性が良く、かつ、保水性も良くなります。また、土の攪拌と同時に地表の雑草などを土中に取り込むことで、土中の微生物がこれを分解して堆肥となり、地力の増進に繋げます。

このように、耕うん作業は、作物を栽培するために必要な環境を整えるために必須の基本作業であり、耕うん=土づくりと言えるのです。

耕うん爪の役割

近代農業の効率的・効果的な土づくりを担う耕うん爪

農業の始まりは紀元前9000年頃とも言われ、農業の発展と共に、効率的、効果的に土づくりを行うため、鋤や鍬などの土を耕す道具が考案されてきました。近年では、トラクタによる耕うんが主流となり、より効率的に耕うん作業が行われています。
トラクタを用いた耕うん作業は、プラウなどの鋤方式の作業機を牽引する方式と、土の中で爪を回転させて耕うんするロータリ耕うん方式に大別されます。
ロータリ耕うんは、牽引型の作業機と比較すると作業速度は劣りますが、耕うん爪が鋤(反転・鋤き込み)と鍬(砕土・均平)の両方の特徴を兼ね備えており、一度で良好な仕上がりの耕うんが可能です。また、作業速度(トラクタの車速)やロータリの回転速度を変えることで、荒起こしから細土まで幅広く対応できます。
プラウなどの牽引型耕うんは土の反転性に優れており、また高速作業が可能なため、大規模農業での耕うん作業に向いています。ただ、砕土性や均平性で見るとロータリ耕うんに劣るため、場合によってはプラウで反転させたあと、別の作業機を使って仕上げる必要があります。

耕うん爪の主な種類

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【通常耕うん】
表面の土と一緒に雑草や藁などを地中にすき込み、地中と地表の土を反転(天地返し)させる、一般的な耕うん作業。

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【荒起こし】
通常耕うんと同様であるが、耕うん深さはやや深めで、耕うんされた土は比較的大きな塊となっているのが特徴。一般的に、稲刈り後の藁や稲株をすき込む作業がこれにあたり、土を細かく砕くというよりは、大きな土の塊のままで天地返しを行う、鋤で鋤いたようなイメージが強い。

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【細土作業】
荒起こしよりも耕うん速度を遅く、ロータリの回転速度を早めて、土の塊が細かくなるようにする作業。場合によっては、専用のロータリを用い、爪を逆転方向に回転させて、さらに細かく砕くこともある。主に野菜などの植え付け前に行われる。

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【代掻き】
田植えの直前に行う耕うん作業。予め、田んぼに水を入れ、水と土を混ぜるために一度通常耕うんを行った後、中層~表層のみをかき混ぜるように耕うんして、表面を水平に均す。近年では、代掻きハローなどの専用ロータリによる作業に変わりつつあり、作業の効率化が進んでいる。

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【畝盛り・作溝・畝くずし作業】
通常の耕うん作業は平面耕と呼ばれ、耕うん後の土は水平になるが、ロータリの爪配列を変更することで、耕うん後の土を畝や溝形状にすることが可能。さらには、専用爪や培土板などのアタッチメントを取り付けて、さらに効率的に作業を行う場合もある。

その他にも、専用の特殊ロータリや畦立て整形機などを用いるなど、用途に応じて様々な種類の作業があります。

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